06.神話

2022.07.19「楽園」更新

神話の終わりは1つじゃない


―楽園で見た夢―

イブは楽園で蛇にそそのかされました。 だからイブはアダムに言えばよかったのです。
「ねぇねぇアダム、蛇さんがね、“知恵の実は美味しいよ”って教えてくれたの。食べてもいーい?」
アダムはエデンの園で寂しい思いをしていました。
イブは「アダムが寂しい思いをしていた」から生まれたのです。
アダムが楽園で1人で幸せになれるなら、イブはいらなかったはずですよね?
パラダイスと呼ばれる楽園が彼にとって地獄であったと言う証明がイブです。
楽園には悪魔の使いと言う蛇がいるのです。そんなの楽園じゃない。
「楽園に悪魔がいていいんですか?」
セキュリティが甘すぎる。そんなところに住めるものか。
蛇さんは悪魔の使いです。
蛇さんは蛇さんであるがゆえにそれを引き受けたのです。
もし断っていたら、悪魔はほかの動物をかどわかしたことでしょう。
だから、蛇さんは悪魔の使いになることでほかの動物たちを守ったのです。それはとても尊いのです。
もしかしたら蛇さんは、四本足で地を駆けたり、羽で空を翔けたりすることに憧れがあったかもしれません。
でも蛇さんは蛇さんなのです。他の動物にはなれません。
だからこそ、楽園が地獄の証明であると言うイブのお友達にふさわしいのです。
イブは蛇さんの言葉を信じました。
蛇さんが嘘つきではない。と、証明して見せました。
だから、「知恵の実を食べてごめんなさい」とは一言も言いません。
そんなこと言ったら蛇さんだけ悪者です。
イブはお友達を見捨てるような薄情な子ではないのです。

―織姫と彦星は結ばれる―

2人はもう、恋人たちが離れている言い訳に使われたくない。
カササギが待っている。