連絡を取らなかった。

私は、過去に趣味で仕事を依頼したことがあります。

その時、どうしてもこうしたい。と無茶振りをした男性がいます。

その方は「やってみたい」と引き受けて下さいました。

良かったです。お金を払っているのに、後悔が残ったら大変だったでしょう。

依頼をしたあと、連絡ないなぁと思いながら、私は無茶振りをした身です。連絡を待っていました。催促はできません。

最高のそれを作って下さいました。

そこからは合作になります。

今にして思えば行き違いなのですが、喧嘩になりました。

私は自分を譲らなかったのです。

でも、その方はいいものを作りたかったのです。

私が折れました。たぶん、私の気持ちは伝えているはずです。その記憶が曖昧で心配なのですが、話を切り出した記憶もあります。

ちゃんと謝れていたかを、心配していました。

最高のものができあがりました。

最後に、「また私と仕事がしたい」とおっしゃって下さいました。

私の気持ちは、伝わっていたと、このセリフで手打ちにしましょう。

そのあと、その方はその会社を辞めると連絡がきました。

私は、その趣味でまた仕事を頼む予定は未定でした。

でも、いつか、また一緒に仕事がしたい。な、とは思っていました。

個人的な連絡先を聞いた方がいいのだろうか……? その時その方がやり取りで使っていたのは辞める会社のメールアドレスです。

でも、なんて切り出したらいいのだろう……?

その方は何か、新しい道を見つけたのだろう。とも思いました。だから環境を変えたのではないか? また一から、何かをはじめたのではないか?

私は連絡できませんでした。

そのメールは返信できないまま、あとになって消してしまいました。

最近になって、その会社の統括の人に連絡をしました。私が依頼した仕事を取りまとめていた人です。

仕事を依頼しようとしたのです。

曰く、その方はその仕事をそのものを止めている。だからもう依頼はできない。と。

私はちょっと食い下がりましたが、最終的に諦めました。

頂いていた名刺も捨てました。やり取りしたメールも消しました。実はお揃いの物があった(小道具です、余分に準備していて余ったのが欲しいと言うので差し上げました)のですが、私の手元にあるのは捨てました。

依頼しようとした仕事は、その会社を通さない事にしました。別の場所で頼み、最高に仕上がりました。

……。

その方と再会することはもうないのでしょう。

でも、それこそ私の道だったのだ。と思える言葉を目にしました。

私は可能性を追いかけ続けた日々がありました。

今だって、ちょっと考えます。

でも、私は今歩いているこの道がいいのです。そっちに行ったらどうだったのか、でも、そっちには行きたくなくて選ばなかったのです。

あの頃の私は、私がどうしたいのか知っていたのかもしれません。

それを知らず、私のままで。

この道が、貴方に繋がっていると。

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